映画「イット・フォローズ」最後の解釈は分かれるところ。ネタバレあり。
怖くて美しいと評判の映画「イット・フォローズ」を借りてみました。
低予算映画だったらしく、確かにマイカ・モンローしか知っている人は出ていません。
映画「イット・フォローズ」のあらすじ
主人公は19歳のジェイ。
ジェイは、最近出来た新しい恋人のヒューと映画を見に行く事になりました。
映画館に着くと、上映開始まで時間があったので、なり替わりゲームをしようという事になります。
周りの人から自分がなり替わりたい人物を選び、お互いに相手がどの人物を選んだのか当てるゲームです。
ジェイが選ぶ番になり、ヒューが当てる番とりなり、
「あそこに立っている黄色い服の女の人だろ」とジェイに言いましたが、ジェイはその人がどこにいるのか全然分かりません。
そのやり取りをしている内に、ヒューの様子がおかしくなり、気分が悪いと言い出して、映画も見ずに帰る事になりました。
(C)2014 It Will Follow. Inc,
後日、再びデートをして、ついにヒューの車の中で
初めてのセックスをしたのです。
そしてヒューは、余韻に浸り、後部座席で横になっているジェイに抱きつくと、急に口元にハンカチを押し当て、気絶させてしまったのです。
ジェイが気がつくと、車椅子に手足を縛り付けられており、廃墟となった建物の中にいました。
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周りをみると、ヒューはその場にいますが、せわしなくあたりを警戒しているようです。
おもむろに、ヒューは語り始めました。
ヒューが言うには、ジェイは何かに感染し、その事で、あるものに追われる事になり、捕まったら殺されると言うのです。
さらにヒューは語ります。
追って来るものは、姿を変える事ができ、知人であったり、見知らぬ人であったりすると。
そしてそれは、セックスによってうつり、誰かとセックスすればまたその人物にうつるので、とにかく捕まらないように逃げて誰かにうつせと言います。
はじめは何を言っているのか分からないジェイでしたが、あたりを警戒していたヒューが来たぞと言うと、素っ裸の女性が歩いて来るのが見えました。
何か普通ではないただならぬ気配を感じたジェイは、ヒューの言う事を信じるしかありませんでした。
素っ裸の女性がすぐそこまで近づくと、ヒューはジェイの縛りつけられた車椅子を押して一緒に逃げ出します。
逃げながらヒューが言うには、それは常に歩いて迫ってくるので、とにかく逃げて時間を稼げ。
しかし、頭は良いので油断はするな、他の人には見えないとの事。
捕まれば殺され、ジェイが殺されれば、再び自分が追われる事になるので、とにかく逃げてくれとヒューは頼むのでした。
果たして、ジェイは逃げ切る事が出来るのか? 誰かにうつすのか? と言ったお話です。
映画「イット・フォローズ」の主なキャスト
マイカ・モンロー
キーア・ギルクリスト
ダニエル・ゾバット
ジェイク・ウィアリー
オリビア・ルッカルディ
映画「イット・フォローズ」のレビュー(ネタバレあり)
怖いと言うよりは不可思議で、不気味な気持ちの悪さがある映画でした。
歩いて来ると言う設定を上手く利用しているのが印象的ですね。
ゾンビものとかの映画やドラマでも、歩いてゆっくり迫って来るものは多いんですが、それらとは一線を画す映画だと思います。
登場人物立ちの後ろの方にいて、歩いて迫って来るんですが、ゾンビとかだとすぐ分かってしまうのに対して、「イット・フォローズ」は、ぱっと見普通の人なので、どれがそうなのか近くに来るまで分からないんです。
なので、登場人物が映っているシーンでも後ろが常に気になって、「いるんじゃない?来るんじゃない?」と自分が追われている感覚になるような撮り方とかは、上手だなと思いました。
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ヒューをみんなで問い詰めに行った時に、ジェイの後ろから人が近づいて来て、「あの女が見えるかー?」とヒューはビビって大声になったんですが、普通に見えるよってスカしがあったのも面白かったですね。
あと、追って来るものがだいたい裸って言うのも不気味です。
服着てても片乳が見えてたり、変質者っぽい感じが変な怖さを掻き立てて来ます。
ジェイを追って来て、素っ裸のおっさんが屋根の上に立っていたのは笑いましたけど。
設定とかストーリーは新しくて面白いんですけど、こういう映画によくありがちな最後の解釈を観てる側に押し付けるのはちょっと嫌でした。
ジェイは色んな人にうつして、何とか逃れようとするんですけど、結局追われる事になってしまうんです。
(C)2014 It Will Follow. Inc,
見かねた、ジェイの事を好きな幼馴染のポールが、自分にうつして構わないと言い、セックスしてうつしたんです。
その後、ポールが立ちんぼのいる売春街に行くシーンがあって、最後はジェイと手を繋いで歩いているんですが、その後ろに誰か歩いてると言う終わり方なんです。
1、ポールが売春婦の誰かにうつして、最後の場面で後ろを歩いている人は普通の人。
2、売春婦にうつしたけど売春婦が殺されて、また追われるハメになり、最後の場面で後ろを歩いているのは普通の人ではない。
3、売春街に行ったけど、思いとどまって誰にもうつさず、追われる事を受け入れて歩いている。最後の場面で後ろを歩いているのは普通の人ではない。
その3パターンのどれか分からないんです。
ハッキリとさせて欲しかったという思いは残りましたね。
映画全体としては観ていて飽きないので、良く出来ているなぁと思います。
レビュー俳句
「結末を
投げずにつけて
欲しかった」
結末は解釈が分かれるところだとは思いますが、それが話題を呼んで人気になっているのだと思うと、やっぱり作り手が上手いなぁと感じます。
ホラー好きのアナタに