その男の狂気は天井知らず!次は何をやらかすのか? ナイトクローラー レビュー
全米の有力批評サイト「Rotten Tomatoes」で満足度95%を叩き出して話題の映画ナイトクローラーを借りてみました。
なんとなく、おどろおどろしいカラーリングのパッケージとジェイク・ギレンホールの不気味な佇まいが目に焼きつきます。
あらすじ
主人公はジェイク・ギレンホール演じるルイス・ブルームです。
ルイスは夜の街を徘徊して、金網を盗んだり、警備員をぶっ飛ばして時計を盗んだり、その日暮らしの生活を送っていました。
ある日、いつものように盗品をさばいて帰る途中で車の交通事故に出くわします。何気なく目を向けると、その事故現場をせわしなく撮影している輩に出会います。
聞けば、事件・事故の現場を撮影してTV局に映像を売っていると言うのです。車に高価なロケ機材を積んでいるのを目にしたルイスは結構な金になるんじゃないかと考え、スクープ映像専門の撮影をするナイトクローラーになる事を決意します。
そして、盗んだ高価なロードバイクをカメラと無線傍受機に換えて、ナイトクローラーへの第一歩を歩み始めます。
撮影をこなすうちに、TV局が視聴率の為に、より過激な大きな事件を欲しがっていると察知したルイスは、ショッキングな映像を作り出す事に没頭していきます。
事故現場の死体を動かしてアングルを変えたり、車に細工して事故を作り出したり、段々と過激になっていくルイス。それを良しとして、映像を買い取るTV局。
過激路線へと走るルイスとTV局はどういう結末を迎えるのか?といったお話です。
【レビュー】
狂気のサクセスストーリーといった話になってます。過激さを求めて、よりショッキングな映像を求めていくルイスとその映像は、映画を見ている人にとっては不快極まりないのですが、事実として視聴率を取り、のし上がっていく姿は現代社会の不条理さを見事に描いています。
実際に事故現場にいたり、身近な人が事故にあったりしていたらルイスは悪魔に見えるでしょうが、1視聴者になったときはやっぱりその過激な映像を見てしまう自分がいるんですよね。この人間の怖さを描いたまれな映画だと思います。
ルイスの行動の意味も、TV局の視聴率を取れる映像を求めてしまう姿勢も、どちらもなんとなく理解できるから人間社会って怖いなと考えされられますね。
また、色んな所で言われているとおり、ジェイク・ギレンホールの演技は秀逸ですね。ナイトクローラーと言う、ある種暗黒の仕事でのし上がってやる、という狂気の向上心が静かな演技の中にふつふつと感じられます。
自分の為なら犯罪でも何でもやむなしといった社会不適格者の心情と表情と行動原理を的確に体現できてしまっているので、ちょっとジェイク大丈夫かなと心配になってしまう程です。
ストーリー、演技共に一級品の映画ですが、観終わった後に残る感情は「あぁ、いい映画だったな」と言う清清しいものじゃなく、「人間て何なんだろう」と言った黒い感情です。ある程度の真理を描いているだろうと思える分、怖くなります。。。
気分が落ち込んでいる時には、余計落ち込むので見ないほうがいいと思います。ある程度元気なときに見て、少し落ち込みましょう。
ジェイク・ギレンホール出演作品はコチラ
レビュー俳句
「人間の
闇の部分は
超怖い」
見る場面とその時の心の状態を選ぶ映画ですね。