映画「オーバー・フェンス」主演キャストも原作小説家も切な過ぎるゼ
(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
美しく、そして儚い大人のラブストーリーを描く、映画「オーバー・フェンス」を凄く観たいと思いました。
この映画を取り巻く環境がすでに切なくて、頑張って欲しいなと思える作品なんです。
そこで、応援する意味も込めて記事にしてみました。
まずは映画「オーバー・フェンス」のあらすじと予告
仕事に明け暮れ、家庭を顧みずに働いた結果、妻に見限られた男・白岩(オダギリジョー)が主人公です。
その後、白岩は東京を離れると、故郷の函館に戻り、一人アパートを借りて職業訓練校に通う日々を淡々と送っていた。
実家にも顔を出さず、失業保険で暮らしながら、毎日部屋でコンビニ弁当と2本の缶ビールを飲む暮らしでした。
そんな暮らしを送っていたある日、同じ訓練校に通う代島(松田翔太)に誘われて行ったキャバクラで、鳥になりたいと願う風変わりなホステス・田村聡(蒼井優)に出会います。
美しくもどこか危うげな雰囲気の聡に、白岩は急速に惹かれていき関係を持つようになります。
果たして、白岩と聡はどんな結末を迎えるのか? と言ったお話です。
キャスト
オダギリジョー
蒼井優
松田翔太
北村有起哉
満島真之助
松澤匠
鈴木常吉
優香
演技派が顔を揃える期待のキャスト陣ですよね。
静かで、見応えのある映画は割と好きなので、キャストとあらすじを見ているだけで儚く、切ない感じが伝わってきて泣けてきます。
不遇の作家・佐藤泰志
この映画の原作「オーバー・フェンス」は、不遇の作家と言われる佐藤泰志の「黄金の服」に収録されています。
原作者の佐藤泰志は、 村上春樹や中上健次などといった著名な作家と並び称され、芥川賞や三島由紀夫賞の候補に6度も挙がりながら賞を獲るに至らず、不遇の作家と言われていました。
そして、最後には自らその命を絶つという、その経歴自体が小説になるような人生を送りました。
しかし、そんな不遇の作家・佐藤泰志の小説にも光が当たりはじめ、近年映画化の波が来ているのです。
2010年に「海炭市叙景」が公開され、2014年には「そこのみにて光輝く」が公開されました。
そして、2016年「オーバー・フェンス」が公開されます。
この三作品は函館三部作と言われています。
不遇だった人生を取り戻すように光が当たり始めた作品たち、この切なさは応援したくなりますよね。
苦悩の中挑んだオダギリジョー
主演のオダギリジョーに関しても、切ないけど頑張ってほしい状況があったんです。
2012年に主演したドラマ「家族のうた」が、ゴールデンタイムにも関わらず、平均視聴率3.1%という深夜番組並みの数字を叩き出し、打ち切りとなりました。
それ以来、視聴率の取れない俳優と言われてしまいました。
さらに、私生活でも2015年に1歳の次男を亡くし、俳優復帰も危ぶまれる中、「オーバー・フェンス」の撮影に挑み、やり遂げたのです。
書いてて泣けてくるような切なさです。
こんなに切ない状況がそろう中作られた映画「オーバー・フェンス」が駄作の訳がないんです。
なんとなく応援したくなりますよね。
皆さんも劇場に足を運んで鑑賞しましょう!
公開日
映画「オーバー・フェンス」は2016年9月17日からテアトル新宿ほか全国で公開です。
佐藤泰志著 黄金の服(オーバー・フェンス収録)