犬と少年の心の交流を描こうとして脱線してしまいましたとさ 「MAX」レビュー
精悍なシェパードの立ち姿になんとなく惹かれて、もちろんTSUTAYAで借りてみました。
動物ものを最近観てないなぁと思っていたのでちょうどよかったです。
知らなかった映画なので「いつやってたんだろう?」と思って調べたのですが、公開日とかは出てこなかったので、どうやら日本では未公開のようでした。
B級かもしれないという恐怖を抱えつつの鑑賞となりました。
あらすじ
主人公は元軍用犬のMAXとジャスティン少年です。
MAXはアフガニスタンでジャスティンの兄カイルと共に派遣され、敵の待ち伏せや隠れ家や武器の発見を行う偵察任務に就いていました。
その日もいつもの様に隊の先頭を歩き、敵の待ち伏せを警戒しながら進軍していました。しかし、潜伏していた敵の攻撃を受け、銃撃戦となってしまいます。
この戦闘でカイルは戦死し、PTSDとなってしまったMAXは帰国することになったのです。
カイルの訃報を聞いた家族は悲しみ、弟であるジャスティンもまた悲しみましたが、彼は悲しみとは違う複雑な思いを抱えています。
元軍人の父と、父と同じ道を歩んだ兄、父に愛されていないのではないかと言う孤独を抱えていました。
一方、MAXはPTSDを抱え、軍用犬としては生きていけなくなり、殺処分を余儀なくされていました。
しかし、MAXがカイルの弟であるジャスティンにだけは心を許している姿を見たカイルの上官は、ジャスティンに飼っていることを薦め、家族とジャスティンもそれを受け入れ一緒に暮らすことになります。
少しずつ心を通わせるMAXとジャスティンでしたが、兄と同じ隊に所属していた元軍人が帰国したことから、少しずつ兄の死の真相が現れてきます。
果たして兄の死の真相とは? MAXとジャスティンは真相に辿りつけるのか? と言ったお話です。
【レビュー】
観ているときはあまり気にならなかったのですが、あらすじを書いてみると、なんだかストーリーがとっちらかっているなと気づきました。。。
PTSDになってしまった元軍用犬MAXと孤独を感じている少年ジャスティンの心の通い合いを描いているはずが、いつの間にか兄の死の真相を暴く少年探偵と相棒犬になっています。
前半は、MAXもジャスティンもなかなか周りには心を開くことなく、徐々に心開いていく過程をたどったドラマ的な映画でしたが、後半は銃撃戦や格闘シーン、ラスボスとの対決なんかもあって、ばっちりアクション映画になっていました。
ま、それはそれで面白かったですけどね。もともと僕はアクション映画が好きなので、それこそ後半のほうが良かったぐらいです。
でも、犬と少年の心の交流を期待して観た人にはB級映画に映ったかもしれません。
心の交流がテーマとしておきながら、じっくりと描ききれずに最後はアクションに逃げた訳ですからね。
PTSDを題材にしているので、重厚な感動ストーリーかなと思っていた分、拍子抜けはしましたが、アクションとしてみれば、まあまあ面白かったです。
私的な感想
ここからは完全に僕だけの感想になりますが、後半のアクションパートでMAXと敵の犬が戦う場面があるんですけど、この映画を観る前に「ジュラシック・ワールド」を観ていたので、犬同士の戦いと恐竜同士の戦いの画が頭の中で重なってしまって半笑いになってしまいました。
首根っこの噛み合いとかを犬も恐竜もやるんですが、アングルとかカメラワークとかがなんとなく似ていてちょっと吹き出してしました。
もちろんジュラシックの方が圧倒的に迫力はあるんですけどね。
そういうわけでアクション映画好きなら、ギリギリ受け入れられる内容の映画だと思います。
レビュー俳句
「題材が
難しすぎて
逃げちゃった」
最後までPTSDと言う題材で感動作品にして欲しかったです。