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映画「月光」あらすじからして衝撃、考えさせられる作品です。

映画「月光」ポスター

(C)2016「月光」製作委員会

 

性暴力を描いた社会派の映画「月光」を観てきました。 

 

観たことないジャンルを観てみようという軽い気持ちで観に行ったのですが、真剣に考えて、何か伝えなくてはいけないなと思わされる映画でした。

 

映画「月光」のあらすじ

 

 

ピアノ講師であるカオリ(佐藤乃莉)が主人公です。

 

カオリは自宅のマンションでピアノ教室を開いており、子供達にピアノを教える毎日を過ごしています。

 

何日か後にピアノの発表会を控えており、子供達もカオリも真剣に練習に打ち込んでいましたが、教え子の一人ユウ(石橋宇輪)は、どこか虚ろで、カオリの問いかけにも応えないような状態でした。

 

そして発表会当日、皆がめかし込んでいる中、いつも通りの服装でユウは現れました。

 

不憫に思ったカオリは自分のワンピースを着せてやると、発表会の舞台へと送り出します。

 

しかし、ユウはピアノを弾くことなく壇上から去ってしまうのでした。

 

その帰り、ユウの父親であるトシオ(古山憲太郎)は、迷惑をかけたし、服のお礼も兼ねて家まで送らせて欲しいと、半ば強引にカオリを自分の車に乗せて走り出します。

 

段々と人気のない山間に車は入っていきますが、教え子の親ということもあり、不審に思いつつも強くは言えないカオリ。

 

遂には、ひとけの全くない夜の湖のほとりまで来てしまいます。

 

 

そして、そこでトシオから性的暴行を受けてしまうのでした。

 

カオリはこの事実を誰にも打ち明けられず、ピアノ教室もままならない状態となってしまいます。

 

それどころか、自分の足音や電話の音にも怯えるようになり、車の音や男性と言った事件を思い出させる事に対して、泣き叫んび、吐き気さえもよおすような状態となっていたのです。

 

そんな時、カオリの前にユウが現れます。

 

実はユウもトシオから性的虐待を受けており、同じ痛みを共有する者同士ひかれていきます。

 

果たして、カオリとユウは自分の心にどんな答えを出すのか?  と言ったお話です。

 

映画「月光」のレビュー

とても考えさせられる内容で、細かい描写などがリアルで、しかもドキュメンタリータッチに描かれていて、心情的にはつらくなる映画でした。

 

 

試写会の挨拶で、監督である小澤雅人が「気分が悪くなったら遠慮なく退出して下さい」と言ったというニュースを見た時は「んな、アホな」と思っていました。

 

けど、実際に観てみると、今被害に苦しんでいる人たちの叫びを聞いているようでいたたまれない気持ちになって、これは退出したくなる人もいるかもしれないなと思いました。

 

僕は男だからまだましなのかもしれないですし、女性だったら感情移入してしまって、「もう観てられない」となるかもしれないようなリアリティでした。

 

これも、男だからなのかもしれないですけど、つらさとか悔しさとか、もの凄く分かるんですけど、どうしてあげたらいいか分からないもどかしさと言うのもありましたね。

 

身近な女性が被害にあって、それを知ったとしても、男が犯した罪を同じ男である自分が軽々しく慰められないし、どうしてあげるのが一番良いかは正直分からない、というもどかしさが残りました。

 

映画を観た後に少し調べたら、被害にあっても泣寝入りしてしまう女性が多いらしいので、こういう事件が闇にまぎれるのではなく、光をあてて、ちゃんとケア出来る社会になってくれれば良いなと思いました。

 

レビュー俳句

「この映画

             多くの人が

                         観るべきだ」

この映画の監督や関係者と知り合いでも何でもないですし、宣伝しても何の得にもならないですけど、あえて観て欲しいと、考えて欲しいと言いたくなる作品でした。

 

 小沢雅人監督の前作「風切羽」